カズオ・イシグロ「日の名残り」書評
こんばんは、JOYです。
少しブームから遅れましたが、ノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロの作品「日の名残り」を読みました。
簡単ではありますが、読んだ感想を書きたいと思います。
選んだ理由はブッカー賞
「日の名残り」を選んだ理由として、ブッカー賞受賞作というのが大きな理由です。
ブッカー賞はイギリスで最も権威のある賞の1つで、日本でいう芥川賞のような賞です。
ブッカー賞受賞作であり、カズオ・イシグロの代表作ということで今回読んでみました。
イギリス純文学は難しい
率直な感想として、非常に難しい本でした。
まさに純文学を絵に描いたような本です。
物語は貴族に仕えるベテラン執事の話です。
その執事が、自分の執事論や矜持をとつとつと語っていく展開がたんたんと続きます。
特別大きな事件や、物語を大きく動かす出来事が起こるわけではありません。
主人公の多彩な気持ちを表す表現や、文字の響きやリズムなどを楽しむ作品だと思います。
が、私には理解するのがなかなか難しかったです。
日本語で読んでいると、原作本来の良さを感じづらいというのもあるかもしれません。
また、イギリスの歴史的背景も話に大きく関わっています。
戦争など史実に基づいた出来事もそのまま出てくるので、ある程度イギリスの歴史を知っていると、余計に物語を楽しめると思います。
ただ、物語終盤に向かって揺れ動く主人公の心の葛藤などは、読んでいて引き込まれるものがありました。
まとめ
以上、簡単ですが感想を書かせてもらいました。
ノーベル文学賞受賞者作で、ブッカー賞作品ということで、素晴らしい作品であることは間違いないと思います。
まだ私にそれを理解する文学力が足りていないと実感しました。
とてもいい勉強になりました。
なかなか海外文学に触れる機会が少ない中、日本の文学とは違うものを感じることができて、貴重な経験ができました。
普段海外文学に触れる機会がない人は、ぜひこれを機会にカズオ・イシグロの作品を手にとってみてはいかがでしょうか。
ではでは。
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